たくさんの映画やドラマ、アニメを視聴できる動画配信サービスは、多くの方に日常的に利用されています。スマートフォンやタブレット、パソコンで、高画質の映像をどこでも視聴できるのが魅力です。
しかし、気になるのが「インターネット回線」ではないでしょうか?高画質の動画視聴には多くのデータ容量を消費するため、スマートフォンでの視聴の場合、速度制限にかかりやすくなり、データ容量を買い足すことで、月額料金が高くなってしまいます。
また、回線の品質が悪いと快適に視聴できなくなってしまうため、「どんなインターネット回線を使うのか」はとても大切です。
動画配信サービスを快適に利用するためのネット回線の選び方と、おすすめのネット回線を解説しているので、参考にしてください。
動画配信サービスの視聴にはインターネット回線を使おう
動画配信サービスを利用する上で、「どんな回線を使うのか」はとても大切です。
自宅だけでなく外出先でも利用ができるため、ついついスマートフォンの回線を利用してしまい、月額料金が高くなったり、速度制限にかかることは、多くの方が経験したことでしょう。
スマートフォンの回線で視聴するのはもったいない
動画配信サービスだけでなく、YouTubeなどにも当てはまることですが、動画視聴には多くのデータ容量を消費します。
では、動画視聴で一体どの程度のデータ容量を使うのでしょうか?「1GBでどの程度視聴できるのか」を解説した、以下の引用文を確認してください。
YouTubeの場合、設定で720p(高画質)の場合は約90分(1.5時間)、480p(中画質)の場合は約120分(2時間)、360p(中画質)の場合は約180分(3時間)の視聴が可能です。
このように、YouTubeについては、解像度が720pだと1GBで90分、480pだと120分視聴可能です。一方で、最近のスマートフォンやタブレットはディスプレイが大きいため、720pだと少し粗めに映りますから、1,080pでないと快適に視聴できないかもしれません。
その場合、さらにデータ容量を消費することになるため、動画配信サービスの利用では、スマートフォンの「月間〇〇GB」という契約では、十分でないと感じる方がほとんどでしょう。
したがって、動画配信サービスの利用には、スマートフォン以外のインターネット回線を利用すべきです。
動画視聴に適したインターネット回線の選び方
ここからは、動画視聴に適したインターネット回線の選び方を、以下の3つの観点で解説していきます。
- 回線が高品質
- 無制限に使える
- コスパが良い
1.回線が高品質
動画を快適に視聴するためには、回線品質が非常に大切です。では、回線品質とは、具体的にどのようなものを指すのでしょうか?
動画視聴では、多くのデータ容量を使い、常に端末と通信を行うため、「通信速度と安定性」に注目すべきです。それぞれについて、詳しく解説していきます。
通信速度
通信速度は、「どの程度の速度でデータのやり取りを行えるか」を意味します。この速度が速ければ速いほど、より高画質の動画を、より快適に視聴可能です。
ここでは、わかりやすく理解するために、速度測定サイト「Fast.com」の測定結果を確認していきましょう。
引用:Fast.com
こちらが測定結果を示す画像ですが、中央の「63Mbps」という数値に注目しましょう。
これはダウンロード速度を示しており、「下り」と呼ばれます。単位は「Mbps」で表記されていますが、1,000Mbpsを超えると「1Gbps」へと繰り上がり、通信速度が高速な光回線の場合、最大通信速度は「Gbps」で表されることが一般的です。
では、具体的にどの程度の数値があれば、動画視聴を快適に行えるのでしょうか?詳細を、以下の表で確認してください。
端末での作業 | 必要ダウンロード速度 |
---|---|
LINE受信 | 1Mbps |
Webページ閲覧 | 1Mbps |
ビデオ通話 | 3Mbps |
YouTube視聴(720p) | 3Mbps |
YouTube(1,080p) | 5Mbps |
4K動画の再生 | 25Mbps |
引用:快適なインターネットに必要な上下の速度目安を目的別に整理! – NURO
このように、解像度が720pや1,080pの動画は、数Mbpsがあれば問題なく視聴可能で、4K動画の視聴は25Mbpsの速度で視聴できます。
つまり、上記測定結果の63Mbpsでは、「4K動画でさえ快適に視聴できる」ことを意味しています。
一方で、注意すべきが「最大通信速度」についてです。それぞれのネット回線事業者、サービスでは、広告やWebサイト内で、「下り最大〇〇Gbps」と宣伝をしており、誰でもその速度で通信ができると思われがちです。
しかし、実際の通信速度は以下の要素によって、大きく最大通信速度を下回ります。
- 回線の混雑さ
- 使用する端末の性能
- 使用する周辺機器の性能
したがって、各社が宣伝する最大通信速度はあくまで理論値であり、自分の端末で利用する際の実測値とは全くの別物である点に注意しましょう。
安定性
通信速度が十分だとしても、回線が安定しないと快適に動画視聴はできないため、安定性にも注目すべきです。
先ほどの測定結果において、安定性は左下の赤枠で囲んだ部分が該当します。レイテンシと記載されていますが、「ping(ピン)」と呼ばれることもあり、単位は「ms(ミリセカンド)」です。
回線速度とは異なり、「数値が小さければ小さいほど安定性が高い」ことを示すので、この点に注意しましょう。
では、具体的にどの程度の数値があれば、快適に動画が視聴できるのでしょうか?詳細は、以下の表を参考にしてください。
ping値 | 安定性 |
---|---|
0ms〜40ms | 高い |
41ms〜60ms | 普通 |
61ms〜100ms | やや低い |
100ms〜 | 低い |
参考:Ping値(ピン値/ピング値)とは何のこと?回線速度との違い – @nifty IT小ネタ帳
このように、一般的には40ms程度にpingが抑えられていれば、回線の安定性は高いと評価されます。
なお、このpingは、無線LANルーターや有線接続など、周辺機器や接続環境によって大きく変わるものです。
したがって、高品質なネット回線を契約したのに、回線の安定性が低い場合には、回線以外にも注目してみましょう。
2.無制限に使える
光回線以外のインターネット回線では、スマートフォンの契約プランのような「月間データ容量」が設定されています。
動画視聴のためにインターネット回線を選ぶ場合、「無制限に使えるかどうか」も大切です。サービスによって、無制限プランを用意しているかどうかは変わってきますから、事前に提供しているプランを確認しておきましょう。
無制限プランがおすすめな方
無制限プランは、以下に該当する方におすすめできます。
- 日常的に動画を視聴する
- 画質にこだわりたい
- ドラマや映画を視聴したい
- ライブ配信を視聴したい
特に、「ドラマや映画、ライブ配信を視聴したい方」は、無制限プランを契約すべきです。ドラマや映画の視聴は数時間に及ぶため、数作品を視聴しただけで、すぐにデータ容量を消費してしまいます。
また、ゲームやスポーツのライブ配信は、定期的に数時間に及ぶ視聴を行うため、無制限プランでなければ1カ月を通して快適に視聴することができません。
自分の用途に合わせてプランを契約することが大切ですが、動画視聴では「無制限プラン」が最もおすすめですので、契約の参考にしてください。
3.コスパが良い
動画配信サービスは作品ごとに料金を支払ったり、月額料金がかかったりするため、コスパの良いネット回線を選んで、できるだけ節約したいと考える方は多いです。
コスパの良いネット回線を選ぶためには、以下の点に注意しましょう。
- 各種特典がお得
- 月額料金が安い
- 無制限に使える
それぞれ順番に解説していきます。
各種特典がお得
インターネット回線を提供しているモバイルWi-Fiや光回線は、さまざまな特典でお得に利用できる仕組みを用意しています。キャッシュバックや工事費無料、スマホセット割引がその代表的ものですが、注意点も存在しているので確認しましょう。
- キャッシュバック
- 受け取り条件を満たす必要がある。
- 工事費無料
- 契約期間内に解約すると、残債を支払う必要がある。
- スマートフォンセット割引
- コスパが家族の数によって変わる。
特にキャッシュバックに魅力を感じ、契約する方は多いですが、受け取りにあたり条件を満たす必要があります。有料オプション加入や特定期間における申請が必要などさまざまですから、事前に受け取り条件を確認しておきましょう。
月額料金が安い
各種特典で比較をすると、さまざまな条件の確認が必要になるので、シンプルに「月額料金の安さ」で選ぶと、比較がしやすいです。
また、月額料金を安くしている事業者、サービスを利用すると、初月から安い料金で利用できます。キャッシュバックは契約後に一括で高額の現金を受け取ることで実質的な割引がされますが、どちらの割引方法を好むかは人によるでしょう。
無制限に使える
データ容量を無制限に使えるインターネット回線を選ぶことで、コスパの面でもメリットがあります。
なぜなら、動画配信サービスを利用するほとんどの方は、莫大なデータ容量を毎月消費するため、容量制限があるプランだと、データ容量を買い足す可能性が高いからです。
もちろん、買い足さずに節約しながら使うことも可能ですが、これではスマートフォンの契約プランと同じ「見たいのに見られない」ストレスを抱えることになってしまいます。
快適に、お得に利用したいなら、やはり無制限プランを選ぶべきです。
動画配信サービスを快適に視聴できるおすすめ回線は?
ここからは、動画配信サービスを快適に視聴できるおすすめ回線を紹介していきます。
結論から言うと、モバイルWi-Fiと光回線が動画視聴に最適なインターネット回線です。それぞれの特徴に加え、どのような方におすすめできるのかを解説していきます。
モバイルWi-Fi
モバイルWi-FiはポケットWi-Fiとも呼ばれ、持ち運びできるWi-Fiルーターを使って、端末と無線で通信するタイプのインターネット回線です。
大まかに分けると、モバイルWi-Fiは使用する回線で、以下の2種類に分けられます。
- WiMAX
- 自社で独自の回線を運用する。
- 大手キャリア回線
- docomo・au・SoftBank回線を借りて運用する。
WiMAXは自社で独自の回線を運用しており、日々対応エリアを増やしているものの、全国カバー率ほぼ100%の大手キャリア回線には及びません。
一方で、WiMAXは「ギガ放題」という使い放題プランを高いコスパで提供しているため、インターネット回線を検討している方に人気です。
自分の住んでいる地域が対応しているかどうかは、15日間無料でお試しができる「Try WiMAX」で確認してみましょう。

モバイルWi-Fiのメリットとデメリット
ここでは、モバイルWi-Fiのメリットとデメリットを解説していきます。
メリット
モバイルWi-Fiの最大のメリットは、外出先でもWi-Fiの利用ができる点です。後述する光回線の場合、固定回線になるため、自宅での利用に限られます。
しかし、動画視聴は自宅だけでなく外出先でもするのが普通ですから、モバイルWi-Fiの携帯性の高さを魅力に感じる方は多いでしょう。
また、光回線より割安で利用できる点も、見逃せないメリットです。たとえば、WiMAXの月間データ容量無制限のギガ放題プランは、「4,268円」で利用することができますし、お得なプロバイダと契約すれば、さらに安い料金で契約できます。
一方で、光回線の月額料金の相場は5,000円前後になるため、およそ1,000円程度安く利用可能です。インターネット回線は数年契約が基本ですから、月額料金で1,000円違うと大きな差になります。
また、工事不要で最短即日利用も可能ですから、できるだけ早めに、手軽に契約をしたい方にも、モバイルWi-Fiはおすすめできます。
デメリット
モバイルWi-Fiは光回線とは異なり無線回線であるため、「回線品質が光回線より低い」点がデメリットです。
たとえば、多くのモバイルWi-Fiが利用しているauのLTE回線は、下りの最大通信速度が「150Mbps」となっています。
一方で、光回線の多くは下り最大通信速度を「1Gbps(1,000Mbps)」で提供しているので、両者の速度差は圧倒的です。
しかし、動画視聴に絞って考えると、下り最大150Mbpsの通信速度があれば、4K動画などのコンテンツを視聴しない限り、十分快適に視聴可能です。
したがって、「回線品質が光回線より低い」だけで、動画視聴という点では、モバイルWi-Fiでも問題なく行えると考えて問題ありません。
モバイルWi-Fiをおすすめできる方
モバイルWi-Fiのメリットとデメリットを踏まえた上で、モバイルWi-Fiをおすすめできる方を以下に示します。
- 動画視聴だけを楽しみたい
- できるだけ安く利用したい
- 外出先でもWi-Fiを使いたい
- 工事をせず契約したい
- できるだけ早く契約したい
これらに該当する方は、モバイルWi-Fiの契約を検討してください。
光回線
続いて光回線について解説していきます。モバイルWi-Fiは無線接続のインターネット回線でしたが、光回線は光ファイバーというケーブルを住居まで引き込んで利用する固定回線です。
光回線のメリットとデメリット
ここでは、光回線のメリットとデメリットを解説していきます。
メリット
光回線の最大のメリットは、回線品質の高さです。
光回線を提供する事業者は多数存在しますが、最低でも「1Gbps」の下り最高速度でインターネット回線を提供しています。実測値はこれを大きく下回りますが、それでも4K動画でさえ快適に視聴できるため、映像の品質にこだわる方には魅力です。
また、速度だけでなく回線の安定性も極めて高く、適切な周辺機器を揃えることで、pingを低い数値に抑えることが可能です。
動画視聴に「数ms」の高い安定性はあまり必要ではありませんが、最近ではリモートワークやビデオ会議、オンラインゲームなど、自宅でインターネットを使う機会が非常に増えてきています。
したがって、できるだけ高い回線品質を求めることは、生活の質の向上につながるため、自宅で動画視聴以外の作業も頻繁に行う方には、光回線を強くおすすめします。
デメリット
光回線を契約する上では、必ず工事が必要になります。
新規に開通する場合と事業者を変更する場合の2通りがありますが、両者ともに手間と時間がかかるため、即日開通も可能なモバイルWi-Fiと比較すると、デメリットに感じる方もいるでしょう。
また、2万円〜4万円程度の工事費用がかかるため、手間だけでなくお金もかかります。
工事費無料特典を用意する事業者もあるものの、「毎月の分割費用をゼロ円にする」ことで実質無料にしているため、契約期間内に解約してしまうと、残債を支払う必要があるのです。
つまり、工事費無料特典は、契約期間内に解約ができない「縛り」になるため、この点に注意しましょう。
また、月額料金がモバイルWi-Fiよりも高い点も、デメリットだといえます。その分高品質な回線が利用できますが、動画視聴だけに絞れば、外出先でも利用できるモバイルWi-Fiで十分な方も多いはずです。
光回線の契約期間は2〜3年と非常に長く、解約金も1万円〜2万円程度に設定されているため、契約の際は慎重に検討を行いましょう。
光回線をおすすめできる方
光回線のメリットとデメリットを踏まえて、おすすめできる方を以下に示します。
- 自宅でのみインターネット回線を使う
- できるだけ高い回線品質を求めたい
- 4K動画を快適に視聴したい
- 動画視聴以外にもインターネット回線を使いたい
これらに該当する方は、光回線の契約を検討してください。
まとめ
動画配信サービスを利用するときは、スマートフォンの回線を使うのではなく、モバイルWi-Fiや光回線を利用すべきです。
両者のメリットとデメリットを確認した上で、自分に合ったインターネット回線を選んでください。
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